商業登記証番号と取得方法について

香港の会社設立に必須!商業登記証番号と取得方法について

香港でビジネスを成功させるためには、会社設立は避けて通れない道です。そして、会社設立において最も重要なのが「商業登記証番号」の取得。この番号は、香港法人にとってまさにアイデンティティであり、銀行口座開設やビザ申請など、様々な場面で必要となります。

今回は、香港の会社設立において必須となる商業登記証番号の概要、取得方法をわかりやすく解説します。

まず、商業登記証番号(Business Registration Number)は、香港税務局(IRD)が発行する、香港で登記された会社に固有の識別番号となり、8桁の数字で構成され、会社設立時に発行されます。この番号は、香港法人にとって非常に重要な役割を果たし、例えば、銀行口座を開設する際や外国人役員及び従業員が就労ビザを申請する際にはこの番号が必要です。また、従業員との雇用契約を締結する時や特定の事業に必要な許認可を申請する時、取引先に請求書や領収書を発行する場合、また契約書や訴訟書類などの法的文書を作成する場合にも、商業登記証番号の記載が必須となります。このように、商業登記証番号はあらゆる場面で必要となるため、必ず取得しておかなければなりません。

商業登記証を取得する方法は、受付窓口での提出、郵送、オンラインのe-Service Portalを使った申請の3つがあります。受付窓口では、書類に不備がない場合は、約30分で手続きが完了し、商業登記証を取得できます。担当者と直接やり取りできるため、書類の不備や疑問点などをその場で確認できるというメリットがある一方で、香港へ渡航する必要があるため、時間とコストがかかります。

自宅からでも申請できる郵送方法は、香港へ渡航する時間がない方や、コストを抑えたい方におすすめです。申請書類を郵送してから約2営業日で商業登記証が送付されます。窓口申請と異なり、担当者と直接やり取りできないため、書類に不備があると追加で郵送手続きが必要となる場合がある点に注意が必要です。

インターネット上で申請できるe-Service Portalは、最もスピーディーで便利な方法です。申請書類をアップロードし、手数料を支払えば、約1時間で商業登記証の取得が可能です。香港へ渡航する必要がなく、インターネット環境があれば、自宅やオフィスからいつでも申請できます。

商業登記証の有効期限は1年または3年で、多くの会社は1年を選択していますが、3年の方がコストパフォーマンスに優れているため、長期的な運用を考えている場合には3年がおすすめです。

いずれの方法を選択する場合も、事前に会社定款(Articles of Association)、設立申請書(Form NNC1)、会社登記所への通知書(IRBR1)、その他、必要に応じて追加書類などの必要な書類を準備しておかなければなりません。

商業登記証番号は更新が必要となり、更新手続きについては、商業登記証の有効期限が1ヶ月前に迫ると、香港税務局(IRD)から最新版の商業登記証と納付書が送付されます。期限内に納付を済ませ、最新版の商業登記証を店舗や事務所内に掲示する必要があります。納付や掲示を怠ると、罰金が科せられたり、業務に支障が生じる可能性があるので注意しましょう。

さらに、商業登記証番号は香港政府のウェブサイトで検索できます。紛失した場合は再発行の申請が必要であり、会社設立や登記証に関する手続きの詳細はCompanies Registryのウェブサイトや政府の窓口で確認できます。

このように、商業登記証番号の取得方法はシンプルですが、会社の事業内容によっては、必要な書類が異なります。英語や広東語での申請になりますので、ご自身で手続きを進めるのが難しい場合は、香港の弁護士や会計士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家に依頼すれば、商業登記証番号取得に関する様々な手続きをスムーズに進めることができる、時間や労力を節約することができる、香港政府の定めるフォーマットや規則に準拠した書類を作成することができる、商業登記証番号取得後の各種手続きについてもサポートしてくれる、などのメリットがあります。

香港でスムーズに会社を設立するためには、会社設立手続きをしっかりと進めることが重要です。商業登記証番号の取得は、その中でも特に大切な手続きの一つとなります。商業登記証番号の取得方法自体は難しくありませんが、香港での会社を設立する手続きは複雑な場合もあります。本記事で紹介した情報を参考に、商業登記証番号の取得方法をしっかりと理解し、香港でのビジネスを成功させましょう。